次の記述のうち、土地区画整理法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。(令和4年出題 問20)
① 土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日以後、換地処分の公告 がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある建築物の新築を行おうとする者は、土地区画整理組合の許可を受けなければならない。
② 土地区画整理組合は、定款に別段の定めがある場合においては、換地計画に係る区域の全部について工事が完了する以前においても換地処分をすることができる。
③ 仮換地を指定したことにより、使用し、又は収益することができる者のなくなった従前の宅地については、当該宅地を使用し、又は収益することができる者のなくなった時から換地処分の公告がある日までは、施行者が当該宅地を管理する。
④ 清算金の徴収又は交付に関する権利義務は、換地処分の公告によって換地についての所有権が確定することと併せて、施行者と換地処分時点の換地所有者との間に確定的に発生するものであり、換地処分後に行われた当該換地の所有権の移転に伴い当然に移転する性質を有するものではない。
① ☓
正しくは、許可権者は土地区画整理組合ではなく都道府県知事等です。
土地区画整理組合の設立の認可の公告があった日以後、換地処分の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある建築物の新築などを行おうとする者は、都道府県知事等(国土交通大臣施行の場合は国土交通大臣、市の区域内では原則として市長)の許可を受けなければなりません。
土地区画整理法第76条第1項本文(建築行為等の制限)
次に掲げる公告があつた日後、第103条第4項の公告がある日までは、施行地区内において、土地区画整理事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更若しくは建築物その他の工作物の新築、改築若しくは増築を行い、又は政令で定める移動の容易でない物件の設置若しくは堆積を行おうとする者は、国土交通大臣が施行する土地区画整理事業にあつては国土交通大臣の、その他の者が施行する土地区画整理事業にあつては都道府県知事(市の区域内において個人施行者、組合若しくは区画整理会社が施行し、又は市が第3条第4項の規定により施行する土地区画整理事業にあつては、当該市の長。以下この条において「都道府県知事等」という。)の許可を受けなければならない。
② 〇
そのとおり。
土地区画整理法により、換地処分は原則として事業の工事がすべて完了した後に行うこととされています。しかし、例外として定款(組合施行の場合)、規準・規約(個人施行の場合など)、または施行規程に別段の定めがあるときは、全部の工事が完了する前であっても換地処分をすることができます。
土地区画整理法第103条第2項
2換地処分は、換地計画に係る区域の全部について土地区画整理事業の工事が完了した後において、遅滞なく、しなければならない。
ただし、規準、規約、定款又は施行規程に別段の定めがある場合においては、換地計画に係る区域の全部について工事が完了する以前においても換地処分をすることができる。
③ 〇
そのとおり。
仮換地を指定したことにより使用・収益できる者がなくなった従前の宅地は、その時点から換地処分の公告の日まで土地区画整理法に基づき施行者が管理します。
仮換地が指定されると、従前の宅地を使用・収益する権利は仮換地側に移ります。これにより誰も使えなくなった元の土地(従前の宅地)は、荒廃やトラブルを防ぐため、施行者が管理する義務を負います。
土地区画整理法第100条の2(仮換地に指定されない土地の管理)
第98条第1項の規定により仮換地若しくは仮換地について仮に権利の目的となるべき宅地若しくはその部分を指定した場合又は前条第1項の規定により従前の宅地若しくはその部分について使用し、若しくは収益することを停止させた場合において、それらの処分に因り使用し、又は収益することができる者のなくなつた従前の宅地又はその部分については、当該処分に因り当該宅地又はその部分を使用し、又は収益することができる者のなくなつた時から第103条第4項の公告がある日までは、施行者がこれを管理するものとする。
④ 〇
そのとおり。
清算金債権・債務は、土地という「物」に付着した従たる権利ではありません。したがって、換地処分後に土地が第三者に売買(所有権移転)されても、清算金の徴収・交付の権利義務は当然には新しい所有者に移転しません。
実務ではトラブルを防止するため、換地処分後に土地を売買する場合、清算金の授受をどちらが担当するかは、当事者間の契約(特約)で別途取り決める必要があります。
土地区画整理事業による換地処分の確定後換地につき売買による所有権の移転があつても、右換地に関する清算交付金請求権は、整理事業施行者に対する関係において、当然にはこれに伴つて移転しない。(最判昭48.12.21)
正解 ①
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