独立行政法人住宅金融支援機構(以下この問において「機構」という。)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。(令和7年出題 問46)
① 機構は、災害により住宅が滅失した場合におけるその住宅に代わるべき住宅の建設又は購入に係る貸付金について、一定の元金返済の据置期間を設けることができる。
② 機構は、証券化支援事業 (買取型) において、 債務者又は債務者の親族が居住する住宅のみならず、賃貸住宅の建設又は購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権についても譲受けの対象としている。
③ 機構は、高齢者が自ら居住する住宅に対して行うバリアフリー工事に係る貸付けについて、貸付金の償還を高齢者の死亡時に一括して行うという制度を設けている
④ 機構は、市街地の土地の合理的な利用に寄与する一定の建築物の建設に必要な資金の貸付けを業務として行っている。
① そのとおり。
住宅金融支援機構は、災害により住宅ローンの返済が難しくなった場合に、償還期間の延長や元金返済の据置などの貸付条件の変更を行うことができます。
独立行政法人住宅金融支援機構業務方法書第26条(貸付けの条件の変更等)
第26条 財形住宅貸付けを受けた者が、第19条第2項第1号イに規定する災害その他特殊な事由として機構が定める事由により、元利金の支払が著しく困難となった場合においては、機構が定めるところにより貸付けの条件の変更又は延滞元利金の支払方法の変更をすることができる。
2 前項に定めるもののほか、貸付けを受けた者に係る貸付けの条件の変更及び延滞元利金の支払方法の変更については、機構が別に定める。
② ☓
住宅金融支援機構は、証券化支援事業(買取型)において、賃貸住宅の建設または購入に必要な資金の貸付けに係る金融機関の貸付債権は譲受けの対象としていません。
管理者も見かけた程度だが、賃貸事業目的でフラット35で融資を受けようとした人が宅建業者に止められているのを見たことがある。これをやってしまうと大変なことになる。
賃貸住宅をするなら、金融機関で事業用ローンを組みなさいということである。
規定の中に、直接「賃貸住宅は対象外」といった記載はないが、「自ら居住する住宅又は自ら居住する住宅以外の親族の居住の用に供する住宅を建設し」との規定があり、これを反対解釈すると、それ以外はNGであることがわかる。
住宅金融支援機構業務方法書3条1項1号(債権の譲受けの対象となる貸付債権)
第3条 機構が法第13条第1項第1号に規定する業務により譲り受ける貸付債権(次項に規定するものを除く。)は、次に掲げる要件に適合するものでなければならない。(え)
一 自ら居住する住宅又は自ら居住する住宅以外の親族の居住の用に供する住宅を建設し、又は購入する者に対する貸付けに係るものであること。
③ 〇
そのとおり。
これは住宅金融支援機構の高齢者向け返済特例制度(バリアフリー工事や耐震改修工事などを対象とする制度)に関する規定です。利息のみを支払い、元金は借入人が亡くなったときに一括して返済します。借入人の死亡後、担保となっている住宅(抵当権の目的物)を処分するなどして貸付金の回収を行いますが、もしその処分価格が残債(元金)に満たなくても、機構は抵当権の効力が及ぶ範囲を超えて相続人などに不足分の弁済を請求することはできないとされています。これにより、高齢者が安心してバリアフリー改修などを行えるようになっています。
独立行政法人住宅金融支援機構業務方法書 第24条第4~5項
4 次の各号に掲げる貸付金の償還は、前3項の規定にかかわらず、高齢者(機構が主務大臣と協議して定める年齢以上の者をいう。以下この項において同じ。)の死亡時に一括償還をする方法によることができる。(か)
一 高齢者が自ら居住する住宅とするために行う合理的土地利用建築物の住宅部分の建設又は購入に係る貸付金(か)
二 高齢者が自ら居住する住宅について行う改良(改良後の住宅が加齢に伴って生ずる高齢者の身体の機能の低下の状況に対応した構造及び設備について機構が定める基準に適合する構造及び設備を有するものとすることを主たる
目的とするもの又は住宅のエネルギー消費性能の向上を主たる目的とするものに限る。)に係る貸付金(か)(ふ)
三 高齢者が住宅について行う改良(地震に対する安全性の向上を主たる目的とするものに限る。)に係る貸付金(か)
四 マンションの共用部分の改良(高齢者が自ら居住するマンションの共用部分の改良で、当該高齢者に対する貸付けに係るものに限る。)に係る貸付金(ろ)(か)
五 高齢者が自ら居住する住宅とするために行う災害復興建築物の建設若しくは購入又は高齢者が自ら居住する被災建築物について行う補修に係る貸付金(つ)(あ)
六 高齢者が自ら居住する住宅とするために行う災害予防代替建築物の建設若しくは購入又は高齢者が自ら居住する災害予防移転建築物の移転に係る貸付金(け)(あ)
七 高齢者が自ら居住する住宅部分を有する建築物の敷地について行う災害予防関連工事に係る貸付金(け)(あ)
八 マンションの更新がされた後のマンションの購入(高齢者が自ら居住する住宅とするために行うマンションの購入で、当該高齢者に対する貸付けに係るものに限る。)に係る貸付金(あ)
5 機構は、前項の規定による貸付金の償還を受けるときは、当該貸付金の貸付けのために設定された抵当権の効力の及ぶ範囲を超えて、弁済の請求をしない
④ 〇
そのとおり。
住宅金融支援機構は、原則として直接融資は行わないが、例外のひとつとして、都市部の限られた土地を有効活用するため、市街地の土地の合理的な利用に寄与する一定の建築物(1階に店舗、上層階に住宅がある複合ビルなど、相当の住宅部分を有するもの)の建設や購入に必要な資金の貸付け(直接融資)を行っています。
独立行政法人住宅金融支援機構法第13条第1項第7号
七 合理的土地利用建築物の建設若しくは合理的土地利用建築物で人の居住の用その他その本来の用途に供したことのないものの購入に必要な資金(当該合理的土地利用建築物の建設又は購入に付随する行為で政令で定めるものに必要な資金を含む。)又はマンションの共用部分の改良に必要な資金の貸付けを行うこと。
正解 ②
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